磯子区制90周年記念アマチュア無線記念局 8J190ISGについて

  1. 目的

    横浜市磯子区(いそごく)は本年10月1日に、鶴見区(つるみく)神奈川区(かながわく)保土ヶ谷区(ほどがやく)中区(なかく)と共に「区制施行90周年記念」を迎えます。

    今年、私共磯子区在住のアマチュア無線家(以降「ハム」と略します)が、行政主導の「磯子区制90周年記念」事業に参加して、「記念局8J190ISG局」を臨時開設して、ハムの電波を全国に発信したり、記念交信証(QSLカード)を発行して、横浜市磯子区等に区制が施行されて90年となる事をPRします。

    そしてこの機会に磯子区内のハムの絆を強め、大災害時には私達のハム力で情報伝達に務めます。

    既に磯子区より、後援名義使用の承認を得ています。

  2. 磯子区の生い立ち

    横浜市は、米国のペリー提督が1853年久里浜に上陸後、翌1854年、幕府が定めた当時100戸足らずの寒村「横濱村」に上陸し、幕府が用意した応接所で諸交渉を行い、双方で饗応(きょうおう)し合い友好裏に今後の日程を定め、先ず函館、下田を開港した。

    その定めにより、1859年に横濱を始め、長崎、新潟、神戸を貿易港として開港して、日本は開国した。

    
 それ以来横濱は貿易のみならず、日本への西洋文明の受入れ口として、市域も広がり大発展した。

    そして1887(明治22)年には横浜に市制が施行された。

    更に1927年(昭和2年)10月1日に、初めての区として、磯子、鶴見、神奈川、中、保土ヶ谷の5区が誕生して、本年は90周年記念を迎える。

    当初滝頭(たきがしら)町、磯子(いそご)町、岡村(おかむら)町、(もり)町、中原(なかはら)町、杉田(すぎた)町、矢部野町、田中(たなか)町、栗木(くりき)町、上中里町(かみなかざとちょう)峰町(みねちょう)氷取沢町(ひとりざわちょう)西根岸(にしねぎし)町、丸山(まるやま)町の14ヶ町で磯子区は発足した。

    その後、横浜港に近い磯子の地は漁村から商工業の町に発展し、区域も広がった。

    1854年に9艘の黒船で横濱に再来訪したペリー提督が、根岸湾をミシシッピーベイと名付け、停泊した時、風光明媚(ふうこうめいび)と褒めた切り立った崖の海岸線(屏風ヶ浦(びょうぶがうら))は、昭和30年代に大規模な埋立てが始まった。

    そして広がった海岸線は工業地帯、各駅周辺は住宅も含めた商業地帯に変貌し、その昔、黒船見物をしたと言う丘陵地帯には大規模な住宅地等が開発された。

    人口は昭和2年に3万人弱だったのが、今や16万人を超えるようになった。東京湾に面した工業地帯は海上交通、首都高速湾岸線、鉄道等輸送手段にも恵まれ、大規模な工場が集約し、また丘陵地帯には秀麗(しゅうれい)な富士山が遠望できる緑豊な公園 や、住宅地などが広がっている。

  3. 区制90周年記念への参加事業(「行政への説明資料」より)

    1. 参加期間 

      平成29年4月1日~12月31日

    2. 「磯子区制90周年記念」記念アマチュア無線局の臨時開設

      冒頭の目的に記したように、記念のハム局を現行のJARL横浜磯子クラブ(JARL登録番号 11-1-57)のクラブ局のコールサイン「JK1YSD」を、「磯子区制90周年記念」を表す「8J190ISG」への指定事項変更申請を、総務省関東総合通信局殿へ提出して、4月1日付けで変更が認められた。

      この局をクラブ会員がJK1YSDの常置場所、横浜市の施設「磯子センター」、後述の磯子まつり会場をはじめ、区内各地、さらには神奈川県内に手分けして出掛けて移動運用を行い、磯子区制90周年記念をPRする。

    3. フィールドデーコンテスト(FDコンテスト)への参加

      毎年8月第一土日に開催されるFDコンテストへ、区内岡村公園から参加して、通信技術の向上を図る。特に初心者の人には、毎年マン・ツー・マンで指導している。

    4. 「磯子まつり」への出展、公開運用

      区制制定記念日の10月1日(日)に予定されている「磯子まつり」の際、テント一張りを申請して、そこに無線機一式を置き、仮設アンテナを設置して、ハムの電波で磯子区制90周年記念の祭りを開催して居ることを、日本全国へ発信PRする。

    5. 「磯子区制90周年記念」の名称及びロゴの利用

      私共が今年度に活動する際、チラシ、文書、後述の記念交信証等に「磯子区制90周年記念」の名称とロゴの使用申請、許可を得て、後述の記念QSLカード等に使用する。

    6. 記念QSLカードの作成

      ハムの世界ではお互いに初めて交信した時、その交信の記念として、交信相手にハガキ大の交信証(QSLカード)を発行する。

      そのカードに挿入する磯子区を代表する写真原板の提供を、既にいただき、「記念名称」や「記念ロゴ」をカードに入れる許可も頂いた。


  4. 私共磯子在住のハムとは?

    1. JARL横浜磯子クラブ(クラブ局 JK1YSD)

      私共は日本のアマチュア無線界の総元締め、一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(略称 JARL)神奈川県支部傘下の無線クラブで、登録番号は11-1-57である。

      磯子区在住のアマチュア無線好きが集まって、クラブを結成しており、会員数は35名である。

      後述の防災ボランティア団体、「横浜市アマチュア無線非常通信協力会磯子区支部」を、技術面、無線運用面で支えており、会員全員が「横浜市アマチュア無線非常通信協力会磯子区支部」の会員で、役員も兼務して、表裏一体の活動をしている。

    2. 横浜市アマチュア無線非常通信協力会磯子区支部(クラブ局 JR1YWL)

      横浜市アマチュア無線非常通信協力会は、昭和47年に横浜市からの要請により、大災害時に公衆通信回線が途絶した時、趣味のアマチュア無線の電波を使って情報伝達をすべく、昭和47年に横浜市と協定を結んで結成されたボランティア団体で、各区に支部がある。

      磯子区支部は平成20年、磯子区役所と同様目的の協定を結んでおり、約95名の支部員が居る。日々大災害が発生する時に備え、情報伝達が出来る様、訓練しており、磯子区内21ヶ所の「地域防災拠点」での、毎年の防災訓練には、全箇所に参加して、情報伝達訓練を実施している。

      支部長は片山晋氏(JA1XLU)が務めている。

以上

中西 洋夫 アマチュア無線局 JA1CQT

JARL横浜磯子クラブ会長 兼 横浜市アマチュア無線非常通信協力会磯子区支部理事

Eメール: hicqt.nakanishi@nifty.com